「は〜い、こっち向いて〜」とカメラを構えて赤ちゃんに声をかける。ふわりとした雰囲気を持つ藤原佳織は、赤ちゃんや妊婦を対象にしたフォトグラファー。気さくな人柄とやわらかな写真が評判で、藤原だから撮って欲しいという声も多い。

専門学校卒業後はずっとアパレル業界で働いていたが、２８歳の時、出産を機に退職。以降、専業主婦として３人の子供を育ててきた。人生の転機は２人目の子が生まれた時。初めて参加したベビーマッサージ教室がとても楽しく、自分も赤ちゃんも癒されたのだ。藤原はベビーマッサージを勉強すると、２０１２年に自宅サロン『ママズハンズ』をオープン。子育てをしながら、自宅で教室を開催していく。

昔から写真が好きで、趣味で風景や料理を撮っていた藤原は、教室の様子をカメラで撮影するうち、出会った赤ちゃんの笑顔を記念に残したいと思うように。２０１６年には仕事の中心をベビーフォトの撮影へとシフトした。

「赤ちゃんはかわいいので、もちろん写真に残したいのですが、お子さんといる時のお母さんの表情を残したくて。とってもやわらかいんですよ」。撮影メニューは、ベビー、マタニティ、ニューボーン（新生児）の３種類。また、講座や撮影会を通してママ達が集まれる場を作りたいとも話す。「育児で孤立したりネガティブになった時、一歩を踏み出せる場所になれれば。ここに来ると子育てが楽しくなると言われるのが１番うれしいですね」。

その時しかない女性の美しい姿を撮影するマタニティフォト。将来子どもと一緒に写真を見る楽しみも。