アンティークテイストの空間に、季節の花やインテリアグリーンが並ぶフラワーショップ『ミクニ』。ここで、店主兼フラワーデザイナーとして活躍している江藤忍。大学２年の時、趣味で通い始めたフラワーアレンジ教室で〝正解がないこと〞〝自分のセンスが磨けること〞に魅力を感じ、花を一生の仕事にしようと決める。

「不器用だったので、最初は思うような作品が作れませんでした。でも、やりたいという思いは強かったかな」。

大学卒業後は迷うことなく花屋に就職し、業態の異なる２社で働いた後、２６歳で帰福。３年ほど地元の花屋で勉強し２９歳で独立すると、江藤が選ぶ花やグリーン、オリジナリティあふれるフラワーアレンジは瞬く間に評判になった。今では、福山はもちろん、笠岡、尾道、呉からも常連客が訪れるほど。

「おまかせで」と注文する客が多いのは、江藤のセンスが信頼されている証拠だ。「後日『送った相手に喜んでもらえたよ』と聞くとすごく嬉しいのですが、満足や安心はしないようにしています」とやわらかな雰囲気の中にも、芯の強さを感じさせる江藤。今後は店売りだけでなく、ブライダルの分野にも力を入れていきたいと話す。

２０１７年秋には、同世代の異業種の女性達と立ち上げたプロジェクト「フォトウエディング」がスタート。結婚式をしないカップルに向けて、写真とヘアメイクと花でコーディネートする。福山発の新しいウエディングの形に注目だ。

江藤のセンスが光るフラワーアレンジ3000円～。独特の色使いや花の選び方にファンも多い。